※以下ネタバレあります。
いや、普通に面白かったよ。
久しぶりに時計が気にならない映画だった。
これまでの宮崎作品の色んな要素やシーンがないまぜになった感じかなあ。
僕的金字塔であるカリオストロには及ばずとも、ここ最近の宮崎作品の中ではかなり出来がいいと思った。
欲を言うと話の流れが突飛過ぎてついていけない部分がところどころあったんだけどね。
なんでいきなりラストに王子様が?みたいな(^^;)。
時間を2時間半ぐらいにして、もっと丁寧に話を追っていければよかったと思う。
まあ、でも2時間も観客を引っ張っていくあの力量には脱帽だな。
「スチームボーイ」とは大違い!
それと、キムタクの声あて、観る前はどうかなあって思ってたけど、杞憂でした。
あの独特の鼻にかかるしゃべり方もほとんどなかったし、まあイメージにはぴったりの声だったかな。
倍賞さんも頑張ってたよ。
一緒に観た友人は違和感あったみたいだけど、「演技下手」ということではなかったから僕はそれほど気にならなかった。
で、三輪大先生は流石ですな。
存在感あり過ぎ(^^;)。
階段登るところは笑った。
ただ、ヒンの声をわざわざ原田大二郎がする必要は・・・果たしてあったのだろうか?!
で、この映画、他の宮崎作品と比べると確実に違うところがひとつあるのね。
それは主人公が、物語の背景にある大局に関わっていないということ。
ナウシカやもののけみたいに、自らその渦中へ出向こうとはしない。
ソフィーはハウルを助けたい一心だったからね。
だから物語では戦争の発端も力関係も一切描かれていない。
サリマンもあっけないほど戦争終結を決めてしまうし。
そう言う意味で観客は肩すかしを喰らうのかもしれんね。
ちょっと物足りないよって思うかもしれない。
でもそれはそれでいいのではないかと。
この映画に関しては。
ソフィーが主人公であればそこまで描く必要性は感じない。
それをやっちゃうと、映画全体がもののけみたいに説教臭くなってキャラクターの良さが全部死んでしまう気がする。
ところでこの戦争の設定、どうやら原作にはないらしい。
宮崎さんがどう考えてこういう設定を敢えて作ったのか。
それを夢想するのも楽しいじゃない。
僕ね、あの戦火を逃げ惑う人たちのシーンを見て、イラクの空爆を連想した。
ハウルに「敵も味方も関係ない」と言わせてるのは、明らかに反戦のメッセージなんだろうね。
それは強く感じた。
戦争はハウルが魔王化するための小道具でもあるんだけど、あの醜悪な戦闘母艦のイメージを持って来たのにはそれなりの意味があるんだろうね。
さっきもちょっと言ったけど、サリマンはハウルのハッピーエンドを確認すると、至極あっさりと戦争終結を決めたよね。
あれ何だったんだろう。
ハウルがハッピーエンドじゃない状態と言うのは、魔王化することなのかな?
だとすると、ハウルが魔王化すれば戦争を続けさせてたってことでしょ?
ハウルが魔王化すれば戦争に勝ち目はあるけど、しなければ負け戦になるのがわかっているから終結を決意したってことかな?
だとしたらホントに怖いおばさんだ(^^;)。
あと、ソフィーが周りの悪魔や魔法使いをどんどん自分側に取り込んでいくシーンには色々と考えさせられた。
カブやマルクル、カルシファーはもちろん、本来対立関係にある荒地の魔女、スパイ犬ヒンまでも味方につけるんだからスゴイ。
あんな包容力を果たして人は持てるのだろうかと。
ある意味理想なんだよな。
そして、宮崎作品にはほぼ必ず、こういうキャラクターが登場しているのに気づく。
宮崎アニメの画の美しさってのは、別にハウルに限ってだけの話じゃないけど、特に今回は群を抜いてたかも。
あのスイスっぽい雄大な自然の描写を色々見れただけでも僕は観に行った価値があると思った。
胸にグッとくるものがあった。
僕だけかもしれんが(^^;)。
前作、千と千尋でどこが印象に残ってるかと聞かれると、迷う事なくラストの風景と答える。
草の生い茂った丘を風が吹き抜け、真っ青な空に白い雲が流れているショット。
宮崎さんてどっちかというと、日本的風景よりもヨーロッパ風情の自然や人を描く方が上手いよね。
まあ色々好き勝手に言っちゃったけど、観て損はない作品かな。
宮崎アニメ定番の「ヒロインが両手を顔にあてて泣くシーン」もバッチリ入ってて、マニアへの配慮も多々あるし(^^;)。
そうそう。
付け加えですが、有志の手ですでにこの映画についてのQ&Aが作られていました。
以下ご参考まで。
はじめまして。トラックバックどうもです!
こちらもトラックバックさせてもらいました!
Q&A(!)
これからちょっとのぞいてきまーすw
トラバありがとうございます♪
私もトラバさせていただきますね♪
確かにヒン・・・・何故原田大二郎??でしたね(笑)
(でも可愛かったから良しっ・笑)
Q&Aすごいですね〜!
映画見て「??」って思ってた事がスッキリしました。(^^ゞ
はじめまして。
TBありがとうございました。
確かに後半はちょっと説明不足にお話がはしってしまった様でもありました。
でもキャラクターがかわいくて楽しかったです。
はじめまして。トラバどうもで〜す!
ハウルの記事、確かに・・・と思う事が多かったです。
今度また見る機会があればご指摘の部分、楽しみながら見ようかと。笑
Q&A見に行ってまいりまっす☆
>ほりさん
Q&Aに書かれてることが必ずしも正しいわけじゃないとは思いますが、でもこういうサイトの存在ってうれしいですよね。
>かめりあさん
確かにかわいかったけど、僕はどっちかというとチキチキマシン猛レースのケンケンのイメージが重なるんだよなあ(古い)。
で、一緒に観た友人とふたりで「原田大二郎にあれはないよ」って・・・笑ってました!
>海東 凛さん
紹介しておきながら何ですが、ま、参考程度にとどめられた方がいいと思いますよ。>Q&A。
「そうか!」って思うところも確かに多いですが。
>ningyoさん
キャラクターはいいですね。
うまいと言うか。
ヒンなんかは、すぐにぬいぐるみとかで商品化されそう。
・・・って、もしかしてもうしてる?!
>月夜さん
もう一回観れれば、もっと色んなことに気づけるかもしれませんね。
台詞もそうだけど、何気ないカットの中にも結構な情報を入れ込んでるみたいですから>宮崎御大
はじめまして。
トラックバックありがとうございました。
素晴らしい映画には違いなのですが、
腑に落ちないことが多すぎて、それはそれでいいのかな〜?などと思ったり、すっきりと納得したいと思ったり…。
Q&Aも参考にさせていただきます。
TBありがとうございます。
早くDVDが出て欲しいです。
>Sawakoさん
確かに。
どうせならすっきりしたいですよね?
僕は12モンキーズという映画を見てから8年間、ずっとすっきりしていません(^^;)。
でもまあそれはそれで楽しい8年間だったなあと。
今となってはテリーギリアムに感謝してます。
>nagbowlさん
こちらこそコメントありがとうございます。
またバカ売れするんでしょうねえ。
DVD。
売り上げの一部でも新鋭の映像作家の育成に充てていただきたいですが>徳間ジャパン様
はじめまして、trackback有難うございます。
「観て損はない作品かな」は、その通りだと思います。宮崎駿氏の作風はヨーロッパ風ですよね。おっしゃられる通り、今回ピッタリ嵌ってるように思いました。是非、今後ともよろしくお願い致します。dawnより
TBありがとうございます。
こちらからもTBさせていただきますね。
Jizo様のレビューとQ&A大変参考になりました。
サリマンの謎については、かなりすっきりできました。
私もいまだに「12モンキーズ」って謎の存在で、アレ見ると眠れなくなります〜。
はじめまして〜(^−^)
TB、ありがとうございました!!
「ハウル」は珍しく映画館で眠らない映画でした〈笑)
それだけ、面白かったということだと思います。
やっぱり、ベーコンエッグを食べるシーンが好きですね〜♪
>Dawnさん
ハウス名作劇場の頃からあの画風に慣れ親しんできたのもあって、欧風の舞台設定の方がなんとなくしっくりくるんでしょう。
今回ハウル観て思いましたが、またテレビに戻ってきて連続モノやってもらえないですかね?
ハウルも映画で描ききれてない部分があったようなので、30分1クールぐらいならちょうどいいと思うんですけど(無責任モード)。
>Chieさん
12モンキーズは3回で劇場で観て、この間DVDも買ったのですが、どうしてもよくわからない場面があって・・・近いうちに(多分来年早々)下記のサイトでも取りあげようと思っているので、またちょくちょく覗きにきてください。
http://sannin.jizo.net/
>わに姫さん
確かにおいしそうでした>ベーコンエッグ。
ラピュタの目玉焼きパンを思い出したりして(^^;)。
TBありがとうございました!!
こちらからもTBさせていただきます☆
私達が避けては通れない現実の問題を織り交ぜながらも(戦争、老人介護・・・etc)楽しませてくれる駿さんすごいですね♪♪
Posted by: いず : 2004年12月03日 05:27>いずさん
老人介護、そう言えばそうですね。
どちらも元気なご老人でしたが!
老人が主人公のアニメってのもそうそうない気がする(^^;)。
トラバありがとうございました♪
私も させていただきました〜。
私も カリオストロ大好きです!
そしてラストの王子様は 「???」でしたー(笑)あはは。
スチームボーイってそんな酷かったんですか?(^_^;)
見ていないのですけど AKIRA 大好きなので DVDの発売待ちで期待していたんですがー (´Д⊂
それはそれで気になりますw
キムタクは 私もピッタリの声だったと思います。
演技下手って言う意見もあるみたいですね。
でも 宮崎アニメは代々皆さん棒読み風に読んでるところがツボなんですよーと私は言いたいですw
「ヒロインが両手を顔にあてて泣くシーン」は やっぱりクラリスが一番ですね★
Posted by: りえぴ : 2004年12月03日 10:17>りえぴさん
あ、スチームボーイですか?
僕的にはちょっと・・・って感じでしたが、映画って個人個人で受け止め方が違うから、りえぴさんが気になるようなら買われた方がいいですよ。
まあその前にレンタルしてみるのもひとつの手ですね。
で、クラリスなんて男の妄想が作り上げた虚構の少女だ!現実にいるわけがない!・・・つうのがわかっていながら、画面で「お姫様泣き」されるとアワワってなってしまう(^^;)。
初めまして★トラバありがとうございます!
ハウルの記事、なるほど〜って感じでした。
最後のカブは、まぁ、とってつけたような・・・って思ったけど、それも、でもありなんでしょうね^^;
ってかヒンの声、原田大二郎さんだったんですね!初めて知りました。
キャラクターがみんな魅力的ですごく素敵だったです!!
TBありがとうございました!
そうそう、周りの世界と主人公達の関わりが薄いんですよね。
両手顔泣きシーン! あの直前のソフィーの背中曲線にはやはりクルものがありました。
Q&A、そんなものが。参考になります。
Posted by: はいろ : 2004年12月03日 23:37>ミニラさん
カブの正体が最後までわからずじまいってのも観てる方がストレス溜まるでしょうから。
+まあ、何かしらのサプライズってことでああなったんじゃないでしょうか。
・・・勝手な想像ですが(^^;)。
でもあの王子様もラストあたりで、何かカカシの足みたいなのに乗ってピョンピョン飛んでましたね。
魔法使いなのかな?
原作だとどうなるんだろ?
>はいろさん
目の前で「お姫様泣き」されたら、世の男どもは皆、なす術をなくすんだろうねえ。
一度でいいのであんな泣き方をする女性にお目にかかりたいんですけど・・・まずいないねえ(^^;)。
・・・当たり前か。
どうも、初めまして〜♪
先日は、トラックバックの登録ありがとうございました。
私も・・ 宮崎監督の作品のなかでは「カリオストロの城」が一番いい出来だったと思います。それに・・私も夏に、映画館で「スチームボーイ」を見たので分かりますが、確かに「スチーム・ボーイ」よりも「ハウル〜」の方が、大人から子供まで皆で楽しめる作品なのでいいなと思います。
>ライオンマスクさん
カリオストロにせよ、ナウシカ、ラピュタにせよ、初期の宮崎作品の方が映画としてはまとまってるんですよね。
僕はそういう作品の方が安心して見れるので、どっちかというと好きなのかも。
Posted by: jizo : 2004年12月05日 18:50
どうもはじめまして。
TBありがとうございます!
Q&Aか……。
やっぱり「???」な方が多いんでしょうね。
自分もこれからちょっと行ってみようかと思います(^ ^;
>RYOさん
原作があるとどうしても深読みしたくなるんですよね。
かつ、映画にも不可解な台詞や話の流れがあるから仕方ないんですが・・・。
まあ、楽しめる程度でQ&Aを参考にされるのはいいんじゃないでしょうか。
はじめまして。
物語の不完全さ、難しさは確かに気になりましたが、
それを差し引いても、宮崎アニメのあのワクワク感はほんとにすごいなーと改めて思わされました。物語のわかんないとこは自分なりに解釈して納得して、もう一度観たら面白いかもな〜
>nah-tangさん
確かにもう一回観たいって気にさせる映画ですねえ。
宮崎さんの演出力はホントにすごいと思います。
話の流れや作り手のメッセージがある意味わかりづらい映画なのに、2時間ここまで引っ張ってこれるってのは・・・もう職人芸の域ですね。
とっても勉強になります。
トラバありがとうございます。
遅くなりましたが、此方もさせていただきました。
有志さまによるQ&A素晴らしいですね。
洞察の深さに感銘を受けました。
まだまだ見に行く気まんまんですので
次回はQ&Aを踏まえて楽しんでくるつもりです。
>ボヘ隊長さん
ハマる人はハマるみたいですねえ。
でも実際、僕も「もう一回見たい!」と思ってます。
先立つものがなかなか・・・ってところですが(^^;)。
TBさせて頂きました!
>ちょっと物足りないよって思うかもしれない。
>でもそれはそれでいいのではないかと。
>それをやっちゃうと、映画全体がもののけみたいに説教臭くなってキャラクターの良さが全部死んでしまう気がする。
自分も、『もののけ』『千』と続いた「説教くささ」が消えたのが良かったと思いました。
考えを押し付けるのではなく、こちらに考えさせるという作りなのが好きです。
>bamboohouseさん
コメントありがとうございます。
bamboohouseさんのサイトを見て、「今の自分」について考えてしまいました。
「今の自分」・・・これって、これまでの沢山の岐路の中で、そのときそのとき道を選択してきた結果なんだなって改めて思いました。
誰のせいでもなく、自分で選択してきた結果、今の自分が居る。
そして例えどこかで間違った選択をしたとしても、決して遅過ぎると言うことはないのではないかと。
気づいたときに次の選択肢の中で徐々に修正していけばいいんじゃないかと。
あきらめるのはまだ早いことをちょこっと教えられた気がします。
↓こちらの方は、転職なさった頃を思い出したと書かれてました。
http://blog.livedoor.jp/ronspitt/comment.cgi/10050605
自分はいま就活するか、公務員試験でもうけるか、大学院で勉強するか、で悩んでいます。就活するならどんな業界にしようかも悩んでいて…。そうこうする間に、年明けにはもう就活シーズンらしいです。
jizoさんのコメントを読んで、とりあえずドコかしら飛び込んで、ダメならダメで方向転換でも、決して間違いじゃないかなあ、と思えてきました。でもやっぱりずっと先のことも考えてしまうし…。悩ましいです。
大学入る頃は、目標に向かっていたんですがねえー。いまさら悩みが出てくるなんて、高校生の頃のほうが賢かった気がしてならないです。
まだお若いのだから今の自分のココロに忠実に従えばいいのでは?
自分のグランドデザインの設計は必要だけれども、特にハッキリした目標がないのであれば、もう少し世の中の実情と流れ方を見極めた上で固めていけばいいでしょう。
まだまだ判断する材料が少ないでしょうから。
それに今の時点でこれから10年先、いや5年先の世界や日本や自分を予測するのはとても難しいことです。
考える努力は重要ですが。
ただ、妄想でしかない未来に対して、必要以上に構えることもないと思います。
何を持って失敗とするかは人それぞれですし。
大丈夫。
今ならどっちに転んでも痛いということはまずないと思いますよ。