2006年09月20日

マスコミが伝えない三宅島の現状・・・島に飛行機が舞う日

060920-1.jpg 早いもので2000年の大噴火から丸6年が経ちました。
 仕事として関わったのがそもそものきっかけでしたが、三宅島との関係は今でも続いています。
 知り合いや友人も島にたくさんできました。
 そういえば今まで何回ぐらい三宅島へ渡ったでしょうか?
 途中まで数えてましたが面倒くさくなってやめてしまいました。
 今年も場合によると、もう一回船で渡ることになるかもしれません。

 全島避難最中・・・その頃はマスコミも大勢、避難所に押し掛けて、無遠慮に島民にマイクを押しつけ、カメラを回し続けていました。
 それが避難解除された今では、マスコミからは何の音沙汰もありません。
 たまにNHKがローカルで三宅島関連のニュースを伝えるぐらいでしょうか。
 マスコミ・・・特にテレビは三宅島の災害をすでに過去のものとして取り扱っています。
 彼らは「報道」なんて大義名分を偉そうに掲げていますが、きっとその頭の中は数字のことで一杯なんでしょうね。
 「ドラマ」として旬の過ぎた三宅島を天秤にかければ、その対応の答えは自ずと出て来るわけで。
 もしかすると「報道」という言葉は、元来そう言う性質のものを指すのかもしれない・・・なんて、ひねくれた考え方をしたくもなります。

060920-2.jpg 今年の5月、三宅島で画期的な会議・・・全国の火山災害を被った住民が主体的に作り上げたネットワーク、「火山地域の市民団体相互支援ネットワーク(火山市民ネット)」の主催するフォーラムが開かれました。
 各地の被災住民&関係者を三宅島に招いて、住民主体で開催した会議というのは、三宅島民にとって今まで経験がなかったように思います。
 ところが、ふたを開けてみればマスコミで取材に来ていたのは雲仙普賢岳のNPOに随行してきたテレビ長崎だけ。
 三宅島に駐在員を置いている東京のテレビ局も、結局はニュースとしては流さなかったようです。
 まあこれが現実なんでしょう。
 ・・・しかし。 
 僕はこのフォーラムで実に多くの事実、被災住民の想いを知ることができました。
 一度災害で荒れ果てた土地を復興させるのには、たくさんの時間とお金とパワーが要ること。
 島外での避難生活と同じか、もしくはそれ以上に、島に戻ってきての生活が厳しいものであること。
 そしてココロを動かされたふたつのエピソード・・・。

060920-3.jpg それは、以前住んでいた(仕事をしていた)場所が火山ガス高濃度地区に指定されてしまった住民の話。
 現在、その人は島内の別の地区に住みながらも、以前生活していた場所を想い、いつの日か元いた場所に戻りたいと願っています。
 彼にとっては今もなお避難生活が続いているということです。
 目の前に元の自分の家を見ながら、しかしそこでは生活することができないというのは、これはとてもつらいはず。
 そしてそういう人が決して少なくはないという事実があります。
 かけるべき言葉が見つかりません。

火山市民ネット第5回フォーラム〜三宅島大会〜(ショート版) 該当部分16分20秒〜

060920-4.jpg そしてもうひとつの話・・・それは「管制塔や滑走路の整備は既に終わっているのに、未だ航空機が就航できない」という現実。
 最初その理由がわかりませんでした。
 関係者の話によればこういうことのようです。
 既に東京都は4億円をかけて空港施設を整備し終えたが、肝心の航空会社が、火山ガスで乗客に万が一のことがあった場合の責任の所在や航空機関連機材の創傷を理由に、首を縦に振らないのだと。
 まあ航空会社も営利を追求する会社組織である以上、その損得を計算した上での判断なんだろうとは思います。
 しかし、一方で航空路は島の重要なインフラのひとつであり、住民の生活を支え、観光事業で島を復興させようと願う人々にとっての希望にもなっています。
 就航できないのなら、その原因を取り除こうとしたり他の対策を考えようとする努力は、現在なされているのでしょうか?
 今回のフォーラムの中で、有珠山で被災したNPOの理事長が指摘した通り、無理だからといって最初から諦めていたら物事は何も始まりません。
 どうやって「無理」を「可能」に変えていくのか、そこを考えていくことがとても大事なことなのだろうと思います。
 ちなみに東海汽船は、現在高濃度地区にある三池港に船を着岸させ、客を乗降させていますし、復島後、火山ガスが原因で倒れたり、病院に担ぎ込まれた人は皆無だと聞いています。

火山市民ネット第5回フォーラム〜三宅島大会〜(ショート版) 該当部分24分32秒〜、27分39秒〜

060920-5.jpg 僕は現在、三宅島や島民の置かれてる状況は他人事ではないと思っています。
 単に「そこに知ってる人がたくさんいるから」だけではありません。
 資源がなく、周りが海に囲まれ、高齢化率が極めて高い上に火山や地震と共に生活せざるを得ない自然環境・・・これはまさしく近い将来の日本の姿ではないかと。
 日本の縮図、雛形だと思っています。
 なので三宅島が今後どう立ち直り、復興を遂げ、自然と人がどう共生していくのか・・・これを見届けることこそが、これからの日本で生きていくひとつの答えになるのではないかとさえ考えています。
 今、そのことをまじめに考え、取り組んでいかなければ僕たちは後々大きな失敗をするかもわかりません。
 繰り返しますが、他人事ではないのです。

 話は航空路にちょっと戻りますが、現在、三宅島のNPO、「ネットワーク三宅島」が中心になって、広く島内外から「三宅島〜羽田間の航空路の早期再開を求める署名」を集めています。
 僕は島民と、その生活を支えようとする多くの人々の熱意と意気込みに賛同して署名をしました。
 これが「無理なもの」を「可能なもの」とする大きな第一歩だと思ったので。
 他にjizo.netを読んでいる方で、この趣旨にご賛同いただける方は、是非、下のPDFファイルをプリントアウトして、書類に明記してある宛先までご郵送ください(9月20日必着)。
 そして周りの方にも現在の三宅島の状況をお知らせください。
 どうかよろしくお願いします。
 締め切り日までに僕に会う予定のある方は、その際に署名用紙をお渡しいただいても結構です。

協力のお願い
署名用紙

 尚、フォーラム前後の様子もビデオで記録してあります。
 時間があるようでしたら、なかなかお目にかかれない島の被災跡や伝統芸能などもご覧ください。
 (一部テロップ表記に間違いがありますが、仮公開ということでお許しを!)

火山市民ネット第5回フォーラム〜三宅島大会〜(ロング版) 

 なお諸事情により、勝手ながらいずれの映像も9月20日までの期間限定公開とさせていただきます。
 ご理解の上ご容赦賜りますようよろしくお願い致します。

※映像の再生にはQuickTimePlayerが、PDFファイルの表示にはAcrobatReaderが必要となります。

投稿者 jizo : 2006年09月20日 20:40 | トラックバック (0)
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