2007年12月07日

ケータイ小説であれインディーズであれニコ動であれ、確かに従来の大きな枠組みが静かにゆっくりとパラダイムシフトを起こしてきてる気はする。

「ケータイ小説」がベスト3独占、07年文芸部門 : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

<全文>「ケータイ小説」がベスト3独占、07年文芸部門
 2007年の書籍の年間ベストセラー(トーハン調べ)が4日発表され、女子中高生に愛読されている「ケータイ小説」が文芸部門のベスト3を独占、ベスト10では5作がランクインした。
 文芸書が売れない中、“素人”が書いた小説が次々とミリオンセラーになる現状は、出版界に大きな衝撃を与えている。
 集計期間は昨年12月から今年11月。1位は上下巻で累計200万部の美嘉著「恋空」(スターツ出版)。この作品は映画化され、公開1か月で240万人を動員する大ヒットとなっている。2位、3位には上下巻で計100万部のメイ著「赤い糸」(ゴマブックス)、美嘉著「君空」(スターツ出版)だった。
 「ケータイ小説」は、携帯電話やパソコンのサイト上に横書きで発表される小説。5年ほど前に登場し、「魔法のiランド」など投稿サイトに、主に10代〜20代の女性らが「妊娠」「恋人の死」など実体験をもとにした物語を発表。その中の人気作品が書籍化され、同世代の読者の心をつかんできた。
 純文学の関係者からは、文章がつたなくストーリーも型にはまりがちと見られ、異端視されてきたが、出版界もその動向を注視せざるをえない存在となりつつある。7日発売の老舗文芸誌「文学界」1月号は、「ケータイ小説は『作家』を殺すか」と題して大手文芸誌初のケータイ小説特集を組み、文学への影響を分析。
 同誌編集部は、「文学は時代を反映するという意味では、文芸誌もケータイ小説を無視できない」と説明する。
 次の作家を発掘しようという動きも盛んで、昨年、スターツ出版などが「日本ケータイ小説大賞」を創設。ゴマブックスやオリコンも今月、サイトを新設し、賞金1000万円の「おりおん☆ケータイ小説大賞」を始めた。
 「赤い糸」の著者、メイさんは「ほかの人の作品を読んで何となく書き始めたので、作家志望だったわけではない。文章は自分でも稚拙と思うけど、飾らないところが読者に共感してもらえているのでは」と語る。
 インターネットや情報社会に詳しい国際大学グローバルコミュニケーションセンター研究員の鈴木謙介さん(31)は「ケータイ小説はコンビニなどこれまで本を売る仕組みの中になかったルートを開拓して売り上げを伸ばした。来年以降、出版界も新しい出版のあり方を見直していくことになるのでは」と話している。
          ◇
 総合ランク1位は、10月に200万部を超えた坂東眞理子著「女性の品格」(PHP研究所)、2位は田村裕著「ホームレス中学生」(ワニブックス)、3位は渡辺淳一著「鈍感力」(集英社)。「恋空」は10位だった。


 ふ〜んと思いながらも、まあ1回ぐらい読んでみようかと思って恋空を読んでみた。
切ナイ恋物語?恋空?前[魔法のiらんど]
 最初のプロローグ読んで「ウェッ」となったが、我慢して読み進めているうちに、これが何とも不思議で、どんどんページを捲っていってしまう。
 一気に第5章まで読んだ。
 まだ全部読み切っていないので途中までの感想になるが、これは結構イケルのでは、と正直思った。
 これはしかし従来の文学ではない。
 文学的表現もなければ(というか稚拙)、主人公が体験して行く内容も書き連ねれば陳腐なものばかりである。
 にもかかわらず40間近のオッサンをここまで惹き付けるのは何なのか。
 敢えて言うと等身大の人間の日記〜ブログやmixiの日記を読んでる感じに似てるのかもしれない。
 人のプライバシーを覗き見してるあの感じである。
 だからやめたくてもついつい次のページを捲りたくなる。
 同じ土俵に乗せたら・・・本にしたら・・・他の作家たちを押しのけてたちまちベストセラーになったというのは何となくわかる気がした。
 これは既存の文学が駆逐されたということではなくて、新しいジャンルが出て来ただけにすぎない。
 ただ、その新しいジャンルの小説?に、世の中高生のメインストリームが雪崩れ込んでるのは事実で、大きな視点で言えばこれが世の中の流行、主流になっていく可能性はある。
 映像や音楽にしたって似たような傾向にあるのだろう。
 素人投稿のYoutubeやニコニコ動画は今やmixiやYahooをを凌駕する勢いになっている。

「ニコ動」平均利用時間、Yahoo!やmixiを上回る IDは300万突破 - ITmedia News

 もちろんコンテンツに関しては、今はまだテレビやビデオのコピーをそのまま流すようなものの方が多いが、中には珠玉の才能がキラッと光る作品も見え隠れする。
 映画もテレビも今後無くなることはないにしても、ケータイ小説のように、もっとユーザーサイドに立ったチャンネルへとトレンドが移っていくんだろうとは想像できる。
 今の自称業界人や映画マニアたちの辛口評論・映画論に全く意味がないわけではないと思うが、マクロ的に今の時流になぞらえれば、それも所詮は「オタクの戯言」に過ぎないのかもしれない。
 主流は別の場所に既に移ってる気がする。
 音楽に関しても状況は同じ。
 アップルがネットを使った音楽配信の道を切り開いて以降、多くのアーティストが色んな束縛から解放され、色んなプロモーション形態を模索しつつある。

池田信夫 blog マドンナはレコード業界を捨てるのか

 とは言え、やはり個人的に今面白いのはインディーズだと思う。
 特に初音ミクのブレイクぶりは凄まじいものがあって、今までのDTMユーザーの溜まりに溜まった鬱憤が一気に花開いた(?)感じに見える。
 初音ミクとは全然関係ないが、個人的なお気に入りは最近見つけたテクノ妹子

 ひとつハッキリしてるのは、みんなこういう類いの・・・ネットを媒介した、双方向性のある、作り手であり同時に利用者である・・・小説や動画や音楽を、ケータイで外に持ち出して見て読んで聞きはじめてるということ。
 そういった事実や潮流を認識した上で、自分のこだわる映像制作や映画制作、バンド活動を続けていきたいなと思う。
 いつまでも映画館に籠ってるわけにはいかない。

 

投稿者 jizo : 2007年12月07日 11:47 | トラックバック (0)
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