前半はね、正直まどろっこしいの。
「あ、これは失敗したかな?!」って思ったぐらい。
いいように解釈すれば、「観客が時空を超えながら登場人物の相関関係を把握する時間作りのための制作者側の配慮」なのかもしれんがね。
ただ、前半、至る所に後半のための伏線を這わせてあるのも事実。
それは後になって「なるほど!上手い!」って思わせるぐらい巧妙。
このシナリオが素晴らしいのは、1992年の話と1942年の話が並行して語られながら、指輪をキーにして一気に1992年の話がメインで動き出すところなんだよね。
たいていの物語って、昔の回顧録で始まって回顧録で終わるようなパターンが多いんだけど、この映画は50年前の話の決着を、1992年に持ち越して、そこで擦った揉んだしながら白黒付けていた。
これは簡単そうに思えてなかなかできない話の作り方。
1942年でエネルギー溢れる若者の青春群像?を描きながら、1992年では50年間人生の時計の針が止まってしまった老人たちの苦悩を、渋い演技で魅せている
観客としてはなかなか見応えのある内容。
加えて、登場人物に言動で破綻してるキャラクターが見受けられないのも特筆モノ。
大概、これだけの数の登場人物が出てくると「ん?」みたいなのは出てくるんだけどねえ。
きっちり作り込んでる。
特に年老いたシャーリーマクレーンの演技は素晴らしかった。
50年間封印し続けた悲しみの感情をラストで解き放つんだけど、「私、今、何をしているの?」「・・・泣いてるんだよ」という会話、そして、そのときの老人の頬を伝う涙が忘れられない。
後半の舞台が1992年の北アイルランドである必然性もちゃんとあって、この辺りの物語の走らせ方には、スクリーンの前でちょっと唸ってしまった。
今年見た映画の中では今のところNo.1。